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調子どーよ的日記風味。


by wassupbaby

影踏み

夕日を眺める若者の後ろに細く長い影が伸びていた。
「ホイ、踏んだ」
ジェクトが片足でその影に踏み込むと、アーロンがくるりと振り返った。
同時にその影も位置をずらす。
「…何だ?」
ジェクトの行動の意味がわからずに、眉を潜める。
「ガキの頃こうやって遊ばなかったか?影踏まれたらダメってよ」
子供のように無邪気に笑うその顔が眩しかった。
幼少時代からシンを倒す事を目標に武芸一筋だったアーロンには、そんな風に遊んだ記憶はない。
しかしそれを口にして目の前の男の表情を悪戯に曇らせることはしたくはなかった。
「知らん。あんたとは時代が違うしな」
「あぁ?大して歳変わんねえだろ!!」
ムスッとして見せるも目が笑っているジェクトに安堵した。
「今度教えてやるよ」
「子供の遊びをか?」
からかうように問うアーロンとは対象的に真面目な顔つきのジェクトは。
「おめえの知らねえ事はオレが教えてやる。おめえが出来なかった事はこれから一緒にやりゃいい。なっ!」
ああ、これだから、とアーロンは思う。
いつも見透かされているのだ。こちらの思考の先までも。
これだから、この男には、敵わない。

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思い付き取って出し。
いつものようにジェクト美化120%
by wassupbaby | 2006-11-04 03:39 | 365日の一日一題